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「絶対にこれだけは忘れるな!」
「どうか忘れないでね!」
父さんと母さんが遺してくれた言葉を胸に刻み、僕は進んだ。
世の中には理不尽な風が巻き起こっていた。
大勢の人間に罵声を浴びせられた。
僕はその人達と真剣な目で全く引かずに対峙した。
路地裏で知らない人に殴られて蹴られて転んだ。
僕は暴力を振るわずやめてくれとも言わなかった。
殴られた頭を振って立ち上がり、物怖じせず目を見開いて進むと、相手は怯んで去って行った。
両手で胸を温めながら大切な言葉を思い出した。
それは『抗う』ということ。
どれほどの苦境にあっても、諦めずに前だけを見て進め。
体が凍てつく吹雪で覆われようと灼熱の魂で前に進め。
後ろを振り返るな、しっかり眼前だけを見据えろ。
どんなに苦しくても、足を前に出せ。
その一歩を積み重ねることを必死に続けろ。
絶対に止まるな、進め、進め、進み続けろ。
どんなに苦しくても悲しくても、抗い続けろ。
僕はこの世の全てに抗う!
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