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「別に構わないよ、それにこっちも癒されていたから」
「…へ?」
今、何て言った?
癒されていた?
「え、えと、それはどういう…」
「疲れているときに、中松さんの笑顔を見たら癒されるんだよね」
と、照れ臭そうに笑いながら早宮さんは言った。
―嬉しかった。早宮さんにそう言われて、体温が一気に上がるのを感じた。
「だから、ホワイトモカを飲むの、止めないでね」
「は、はい」
ホワイトモカをまた一口飲むと、いつもの何倍よりも甘く感じた。
「そうだ、話変わるけど、残業、いつぐらいに終わるかな?」
突然そう聞かれて、不思議に思いながらも、
「えっと、あともうちょっとで終わる予定ですけど…」
と言うと、早宮さんは、腕時計をちらりと見た。
その後に続いた言葉を、私は、この先ずっと、忘れないだろう。
「…もし良かったらさ、夜ご飯、一緒に食べに行かない?」
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