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夜の都会は、昼とは違い、一層輝きを増す。 道行く人は、皆それぞれの目的を持ち、帰宅する者、買い物する者、友達と待ち合わせする者と、様々だ。 そんな私は―? 早宮さんに、"一緒に夜ご飯食べに行かない?"と誘われてから小一時間後。 私達は、会社から程近い、とあるイタリアンレストランに来ていた。 なんでも、早宮さんのお気に入りの店らしく、 パスタが美味しいらしい。 早宮さんはペペロンチーノ、私はクリームパスタを食べながら、色々仕事について話し合っていたのだが。 "ひぇぇ…、早宮さんと一緒にご飯を食べる日が来るなんて…" と、内心焦っていた。 社内では人気者の彼は、普段から、女性社員達に食事に誘われており、引っ張りだこだなぁと思っていたが、まさか自分がこうして食事を共にするとは思っていなかった。 "しかも、早宮さんの誘いで…" 目の前に座る彼をちらっと見ながら、クリームパスタを食べていると。  
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