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____「ちょっと待って!ごめん!実は俺……いや、私、女なんだ!」
そう告白しても、私の上に跨がる女性は端整な顔をピクリとも動かさない。
栗色の長い髪が前の方に流れ、上目遣いで私を見つめる姿は、女の私からしても艶めかしい。
まずい。
この子にも惚れられちゃったか。
もうこうなったら、服を脱いで女だと言うことをわからせるしかない。
意を決してシャツを脱ぎ捨て彼女に見せつける。
「ほらね、女なの!騙してごめんね。付き合ってくれてホントにありがとう」
しかし次の瞬間、彼女は私の唇を奪った。
……意味がわからない。
もしかして、彼女は女性のことが……?
「そんなこと最初からわかってんだよ」
唇を離した瞬間に耳元に聞こえた低い声。
まだ状況が把握できない。
身体が固まって動かなくなってしまった私を見おろすようにニヤリと笑い、彼女は茶色の髪の毛……そう、ウィッグを乱暴に取り外すのだった。
「ええー!!」
気づいた時にはもう遅かった。
この人は……
「報酬、貰うな。黙って抱かれろ」
彼女は男性だったのだ。
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