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その後の俺と女子高生
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あの事故多発スポットは、俺たちの注意もあり、あれから一度も事故は起きてない。
女子高生は、週に一度、アルバイトに来るようになった。
ときどき母親への不満をこぼすので聞いてやる。
高校出たら雇えとうるさいが、先生に相談しろと、俺は断ってる。
営業所へ出かけようとしたら、彼女が俺に声かけてきた。
「おじさん気をつけてね。この前、マンホール踏んだら、すっぽぬけて落ちそうになったでしょ」
怪しいスポットの事故は減った。
が、気のせいか、最近、俺の周りでヤバい事故が起きている。
鉄骨が落ちてきたり、トラックにひかれそうになったり、シャレにならない。
念には念を入れて、一度、お祓いしてもらおう。
まだまだ俺は死ぬわけにいかない。
だって、こいつは百歳まで生きるから、転生するのは八十年後。
来世のこいつに会うために、当分の間、俺は死ねない。
俺のスキルを生かすなら、王宮に農地から野菜を届ける運搬人だな。
妃になったこいつに「荷運びご苦労である」なーんて言われてみたいじゃないか。
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