罰ゲームでクラス一の陰キャに告白して付き合う話

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 電車に乗って、オレの地元・前橋市へと向かった。どうやら彼も同じ路線で、二駅ほど離れただけの駅から来ていたようだ。  「家、近っ!チャリで行ける距離じゃん。ってか同じ路線なのに、今まで多分会った事ないよね?まぁ、普段はオレが朝夕練習だから時間帯合わんわな」  車内ではオレばかりベラベラと喋って、彼はずっと俯いたままだった。まぁ、元々口数が極端に少ないので陰キャ呼ばわりされてた訳だしね。  でも一度話してみれば、思っていたよりもよく喋る。また、割と言いたい事をハッキリ言うのは昼間経験したところだ。自分の声にコンプレックスがあるらしいし、普段は努めて話さないようにしてたんだろうなぁ。そんなに、気にしなくてもいいと思うんだけど。  さて、言っていたカラオケに着いた。最初は遠慮がちに歌っていた彼だが、だんだんと興が乗って本来の調子が出てきた。何だかんだ、人に聞いてもらう方が嬉しいのだろう。  改めて、すげー綺麗でよく通る声だ…。そして、クッソ上手い。聞いているのがオレだけなんて、ちょっと勿体ないなぁ…。  「ってか加藤くん、洋楽とかも歌うんだ。英語の発音も、すげー流暢だね。君も、どっか留学してたとか?」  「これは、耳で聞いて覚えただけで…。実際何て言ってるのか、歌詞の意味は分からないです。と言いますか、あなたは凄いカタカナ英語ですよね。アメリカに留学してらしたんでしょう?それで、生活出来てたんですか?」  「フッ、心じゃよ!留学先では、ほぼほぼ日本語で通してたからな。ハートがあれば、向こうの方で何となく理解してくれるのさ!」  「何ともまぁ、ロサンゼルスの方々のご苦労が偲ばれます。でも…すごく、あなたらしいですね」  あ。今、ちょっとだけ笑った。笑った顔、初めて見たかも。髪…鬱陶しそうな髪をどけて、どんな顔してるのかハッキリ見たいなぁ…。  「…くん?二階堂くん?突然黙り込んで、どうされたのです」  加藤くんが、不思議そうな顔(多分)をして聞いてきた。  「な…何でもねーよ!ってか、レオでいいよオレの呼び方。それよりさ。加藤くんは、もっと色んな人に歌聞いてもらいたいとか思わないの?」
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