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☆
私たちは、静岡市内の同じ高校の出身ではあったが、それほど仲が良かったわけではなかった。
高校時代の私には、なにもなかった。
エリなんて、二三回お弁当を食べた記憶しかない。それも、どうして一緒に食べることになったのか、よく覚えていない。
エリは確か陸上部に所属していたはずで、 仲が良いといえば、陸上部関係の子だろう。
「それで、陸上部の1コ上の先輩と長いこと付き合ってて、お互いの両親とかも会ってて、当然結婚するだろうって流れだったのに、突然別れたらしいよ」
「へえ」
時子の情報収集能力に驚いた。
「そんな話、よく知ってるね」
「まあね、長沢先輩って居たじゃん?その人情報」
長沢先輩の顔を思い出そうとするが、モヤっとしていて、よく思い出せない。
「だから、陸上部関係は誰も呼ばないみたい」
「何だ、そんな話だったら、断ればよかった」
奈美が不服そうに呟く。
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