今日の終わり、恋の始まり

2/7
前へ
/7ページ
次へ
        ☆ 私たちは、静岡市内の同じ高校の出身ではあったが、それほど仲が良かったわけではなかった。   高校時代の私には、なにもなかった。 エリなんて、二三回お弁当を食べた記憶しかない。それも、どうして一緒に食べることになったのか、よく覚えていない。 エリは確か陸上部に所属していたはずで、 仲が良いといえば、陸上部関係の子だろう。 「それで、陸上部の1コ上の先輩と長いこと付き合ってて、お互いの両親とかも会ってて、当然結婚するだろうって流れだったのに、突然別れたらしいよ」 「へえ」 時子の情報収集能力に驚いた。 「そんな話、よく知ってるね」 「まあね、長沢先輩って居たじゃん?その人情報」 長沢先輩の顔を思い出そうとするが、モヤっとしていて、よく思い出せない。 「だから、陸上部関係は誰も呼ばないみたい」 「何だ、そんな話だったら、断ればよかった」 奈美が不服そうに呟く。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加