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「ありがとう。一緒の時間は面白かったよ」
手を振る和行に、男性も楽しそうに笑った。
「ああ。わたしも退屈しなかった」
和行の横に立つ聡子は、男性に頭を下げた。
「ありがとうございます。
こんな幸せが待っているとは思いませんでした」
男性が金色の瞳を細めて笑った。
「礼なら和行に言うといい。
恋人が来るまで待っていたいと、渡し守になったのだからな」
聞いた聡子が、和行に嬉しそうに寄り添った。
笑顔の二人を乗せた舟は、真っ直ぐに対岸へと向かっていった。
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