たぶん 青春は 二度来る(前編)

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たぶん 青春は 二度来る(前編)

「馬鹿言ってんじゃないよ 青春が二度来るなんて」 「本気だぜ 今来てるから」 「マジか」 「本気だ」 俺の一度目の青春は、あの中学生時代に来た。一般的な青春到達平均年齢に来た。 文化祭の壁新聞作りで、学校のお偉いさんに内緒でうちらの担任の先生は自分の自宅を開放し、泊まりでの新聞製作作業を認めてくれた。(ホントはイケナイコト) 絶好の青春のシチュエーション。 俺たちはがむしゃらにその時代を楽しんだ。 今しかないと夢中で書けた。 翌朝も先生の教員住宅の押入から飛び起き、腹いっぱい思いっきり青春ゲッぷを吐きながらコーラの750mL(ナナハン)を一気飲みで飲み干した。二度目なんて来ないと思ってたから…ひたすら遅刻しないよう正門に向い駆けた。 それから52歳、こんな年齢になってまさか二度目が来るとは。思いもよらない夜であった。
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