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ずっと帰って来なくていいのに…
「お前がトイレに行った後、すごくおまえらの机机盛り上がってたぞ」
マジか…
そんなに俺の存在がウザイのか、俺の真面目な仕事ぶりが皆の鼻についていたのか、時より俺が放つオヤジギャグがくだらなさすぎるのか…
俺は代弁意を催し、またトイレへと離席する。
５ｍほど手前で同僚たちの声が聞こえる。
「ほんと、ずっと帰って来なくていいのに…」
俺は早退届も出さず、駆け出し会社を出る。心配した同僚からLINEが入ったり、携帯電話が鳴る。そんなこと無視して俺は走る。
「ずっと帰って来なくていいのに…」が頭の中にコダマして走る俺を追い越して来る。
「待てよ」代弁者が言う。
「何だお前は」
同僚の韋駄天です。ぼくらが言ってたのは、部長のことです。
今週１週間、海外出張している部長のことを忘れていた。
もう、泪を捨てよう！叫ぼう、せっかく海まで走って来たのだから………「部長ーーーーずっと帰って来なくていいのに…」
「なにーーーーーーーーーーーーーーーーぃ」
はるか遠くの方から部長が乗る汽船が蒸気を猛烈に発して見えてくる。
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