我が家の愛しい愛猫

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我が家の愛しい愛猫

「にゃん!」 夢の世界で、遠くの方から可愛い鳴声が聞こえた。 でも、まだ眠たいから、夢の世界から抜け出したくない。 …甘いのは、夢の世界だけなのだろう。 「ぐはっ…!」 突然、お腹に強烈な衝撃を受け、驚いて私は強制的に夢の世界から引きずり出された。猫の全体重にプラスして重力が合わさった攻撃の威力は、知っている人こそわかる衝撃だ。お腹をさすりながら、攻撃した愛猫を見る。 愛猫は、「起きた?」なんて可愛い顔をこちらに向けているが、正直なところ、こちらはたまったものではない。時計を見れば、まだ朝の4時半。でも、愛猫はこの時間に起きて、朝ごはんを催促する。 愛猫にとっては、当たり前のこと。彼女(メス猫なのです)の生活リズムを下僕である自分が乱すわけにはいかない。 眠たい目を擦りながら、足元にじゃれつく愛猫を蹴らないようにリビングへ向かう。 ほんのり冷えるリビング。 ドアを開け、リビングの空気に身体が軽く震えた。愛猫を抱き上げ、暖を分けてもらおうとするが虚しい抵抗を受け、大人しく朝ごはんの支度をする。 カラカラ…と、エサ皿に餌をいつもの量だけ入れてあげる。足元では、みゃあみゃあとテンションが上がっていて、この可愛さを動画に収めたい葛藤が毎朝の日課だ。いつもスマートフォンをベッドサイドに置いてくるものだから、動画が撮れない。 定点カメラを置いておけばいいのか…と悩むも、別に猫との暮らしをSNSにあげる趣味はないので、そこまではしなくていいだろうと葛藤は終わる。猫のご飯場所にエサ皿を置けば、ガツガツと朝ごはんを勢いよく食べ始める愛猫。 「…にゃん?ゆっくり食べなよ?」 そう言いながら、私もコーヒーが飲みたくなったのでケトルに水を入れてお湯を沸かし始める。何となくカーテンの隙間から外を覗いてみれば、外の世界もまだ目が覚めていない。 なんとなく安心していたら、カチッとお湯の沸いた合図が聞こえた。 インスタントコーヒーでも、マグカップに粉を入れてお湯を注げば、美味しいコーヒーの香りがなんちゃって喫茶店にしてくれる。24時間営業の喫茶店なんて無いだろう。我が家で喫茶店らしさを求めるとなれば…なんて考え事をしていたら、にゃんがすり寄ってきた。 「ん?ご飯食べた?」 「にゃん!」 ご馳走様と言ってくれたのか、タイミングよく鳴く。「にゃん」と鳴くから、にゃんと呼ぶ。可愛いのだ。真っ白で綺麗な毛並みの可愛い猫。瞳は綺麗な青色で、じっと見つめているとキラキラ輝いて見える。 時々、この吸い込まれそうな瞳を見つめる時間が好き。 コーヒーを楽しみつつ、にゃんの喉を優しく撫でながら早起きを楽しむ。日課だけど、今日はなんだか少しだけ特別な気がする。 「こういう朝も、いいね」 「にゃん!」
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