東州茶房

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19980609 自分は何をしたかったのだろう 何を望み何を叶えようとしてきたのだろう そして何から逃げ出したかったのだろう 何もかもが嫌で 生きていることにすら嫌悪を覚えたはずなのに 今何にすがりつくために生きているのか 目の前に付きつけられた現実から逃げてばかりいたのに 今はただ与えられた日常を消化するだけに生きる そんなことになんの意味があるのだろう 何かをしたかったのだろう 何かを成し遂げるつもりだったのだろう なのに今ここにこうしている自分は何なのか 答えをくれる人など誰もいない 道を記す人など誰もいない 未来を決める人など誰もいない 自分が望んできたのだろう 今ここにこうしている自分は自分が望んだから存在するのだろう なのに何故その自分が許せないのか 何故こんなにも追い詰められているのか 自分の中にある感情は何故今を嘆くのか すべては自分が決めたことなのに 岐路の選択は己が決めたことなのに 何故こんなにも不満ばかりが募るのか 誰のせいにして自分を正当化しているのか 誰のために自分は存在しているのか 誰のためでもなく自分自身のためだと気付くのはいつの日か 己が決めて歩んだ道を 己が振り返り嘲り笑う そのときに最善の道を選んでいないから 逃げて楽になりたくて近道ばかりしてきたから 過去の自分は己を嫌った 今の自分は己を笑う 嘲り憎み泣いて哀れんで蔑んで憤って 孤独を望む 一人の方が楽だから 誰にも必要とされていないから 必要としない人間達を貶して笑って馬鹿にして それでも一人は嫌だとすがりついた 何を望んだのか 自分で踏み出さなければなにも変わらない 自分で求めなければなにも与えられない 今ここにある現実を受け止めなければ未来などない けれど 自分で自分で築き上げてきた現実だから嫌気がさした 自分はこんなことを望んできたのだろうか こんな自分になりたかったのだろうか 今ここにいる自分自身が許せないほど嫌なのに 過去の自分が望んだ未来はこんなくだらない日々だったのか 許せない許さない 望んでなんかいないこんな現実 どこで歪んでしまったの これから何を求めどうすればいいの 誰も責めることの出来ない苛立ちに憤り 自分のしてきた過去を悔やむ だからもう悔やむのは止そう 誰のせいでもない自分のせいなのだから 今ここにある現実を受け止めよう どんなに自分が嫌いでも どんなに自分を許せなくても 自分自身が望まぬ限り誰も許諾してはくれないのだから だから考えて考えて回り道もしてみよう 今まで見えていなかった何かが見えるかもしれないから 今まで嫌いだった自分自身を許せる日が来るかもしれないから 過去を振り返って自分自身を責めるのはもう止そう いつかきっと幸せだと思える日が来るように 自分が生きてきた道を誇りを持って振り返ることが出きるように 誰かに許してほしいと思いつづけた日を 過去のことだと思えるように   了
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