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あの、夏の日に
夏になる度思い出す
ゆらゆらと
熱気が踊るグラウンド
じりじりと
焼けつく肌と汗の匂い
光の中
遠ざかって行く人影は誰のもの
なまぬるい水面に浸した
指先の感触
見下ろしていた
水面の中の私
見上げていた
水面の中の私
ゆっくりと
体が溶けてのまれてゆく
けだるいほどにぬるく
まとわりつく水が
おかえりなさいと
沈んでゆく私を抱き締める
さようならと微笑んで
立ち去る私を見送った私
とろけそうな
夏の午後のグラウンド
水面よりも
ぎらぎらと眩しい太陽
遠くに響く
悲鳴のような蝉の声
体に残る
最後の息を吐き出して
あの夏
私はここで
眠りについた
了
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