956人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・は?何泣いてんの?・・・もしかして俺襲った?」
「襲った?じゃねーよ!
寝ぼけて人襲うとかどんだけ欲求不満なの!?サル以下じゃん!
バカ!阿保!変態!タコ!ハゲ!!
イケメンだからって誰でも喜ぶと思うなよ!?」
「ちょ、おい、真帆」
「っ、・・・は、恥ずかしかったし怖かったんだから!」
「すまん、本当に悪かったよ。」
腰を屈めて顔を覗き込んで謝る聡人と顔に手を当てて泣きじゃくる私。怖かったわけじゃない。ただただびっくりしただけなのだ。 6年以上、男性との接点が仕事以外でなかった私のキャパシティはとっくに超えていたのだから。
はーっと大きなため息をついた聡人にビクッと肩が跳ねる。頭をがしがしとかいたかと思ったら聡人の手が伸びてきて私の腕を掴んで引っ張り起こし抱きしめらた。
それに更にビクッと体が跳ねて慌てて逃げようとするけど、聡人は背中をぽんぽんと撫でてあやすように撫で始めた。
「ごめんな。怖かったよな。」
聡人の鼓動が伝わってきてドキドキしてるのが伝わる。なんとなく焦っているのがわかった。
「こ、っ、怖かったし、ひっく、びっくりしたぁ。」
「悪かったよ。」
ぎゅっと抱きしめられてひたすら謝る聡人の体はとても熱くて背中をゆっくりとゆっくりと手が行き来しているおかげで少しずつ涙も引っ込んできた。
聡人の胸元を押して体を話すと心配そうに顔を覗き込んでくる。
「・・・寝相で襲う人初めて見たんだけど。」
「・・すまん。俺自身もすげぇびびってる。」
「まあ、寝てて無意識で何も覚えてないだろうし、仕方ないよね。もういいよ。」
「・・・おっぱいの感触は覚えているけどな。お前でかいのな」
「っ!?最っっ低!!!」
少し開き直ったように手をにぎにぎさせている聡人を見て顔が熱くなるのを感じ再びバチーン!!と平手を食らわせ、煙草1カートンを約束させた部屋を追い出したのだった。
最初のコメントを投稿しよう!