chapter01. お隣さんをたすけました。

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 部屋に戻った私は、ヨーグルトとレモンティーを食し栄養ドリンクを飲み仕事に取り掛かった。  納期が明日までのイラストを完成させてクライアントに送信し、他のクライアントからの依頼のDMに返信したり某通話アプリを利用して打ち合わせをした。終わったのは23時過ぎで流石に体力の限界を感じパソコンをシャッドダウンする。 ふーっと息をつき煙草と貯金をはたいて買ったお気に入りの限定シリアルナンバー入りのデュポンライターを手に取りベランダに出た。  煙草に火をつけて今日の疲れをふーっと長く吐き空に向かっていく煙を見た後、隣の部屋を少し覗くと少し明かりがもれていて あ、起きたんだなー と思いながら空に視線を戻した。 -------------------------------------------- -------------------------- ----------- ----  次の日の朝、いつものように6時に起床し軽めの朝食を食べベランダに設置した手作りベンチに腰掛け煙草に火をつけてぼーっとしていると隣から少しバタバタと音がして 元気になったんだーよかったよかった。 と他人事のように空を見上げやまない雨に向かって煙を吹きかけ火を消し仕事に向かった。  本日分と明日分の仕事を終わらせクライアントにファイルを添付しメールを送信して時計を見ると18時。そこで煙草がもうすぐ無くなるなと思い出し財布と傘を手に取り外に出た。  鍵をかけて一歩踏み出すと階段からお隣さんが上ってきて鉢合わせてしまった。  なんとなく気まずくて、こんばんわーと挨拶をして通り過ぎようとしたら突然腕をグイっとつかまれ肩が跳ね上がって、ひゃっ と変な声が出た。 「な、なにか?」 「昨日はありがとな。」 「ああ、はい。もう体調は大丈夫ですか?」 「ああ、熱はもうほぼ無いな。今病院に行って薬もらってきたとこ。」 「そうですか。それはよかった。」 「・・・・・・」 「なんですか?」  お隣さんが無言でじーっとこっちを見てくるから困ってしまう。  コンビニに行きたかったが腕をつかまれていて振りほどくのも違う気がしてどうしようかと考えていると、お隣さんからぐぅ~っと雨の音に混ざって聞こえた。 「・・・・・・」 「ふふっ」  あ、耐え切れず笑っちゃった。恐る恐るお隣さんの顔を見ると顔を真っ赤にしているが眉間の皺がこれでもかってくらい寄るから更に笑ってしまった。 「あっははっ」 「っ、笑ってんじゃねぇよ。朝からなんも食ってねえんだよ!」 「ひゅいはへぇん。へへっ」  両頬を大きいでむにッとつかまれ制裁を受けてしまった。 「んだよ、ったく。」 「むふふ。うどんなら作れますけど一緒に食べませんか?」 「・・・食う。」  素直に返事するお隣さんはちょっと可愛いなと思った。
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