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「おはようマッキー」 そう言って現れた新見は鞄の他に大きな荷物背負っていた。目立っていて少し恥ずかしい。 「許可はもう出たのか」 「まだ聞いてない、昼休みにでも聞い きに行ってくるよ」 背中のそれを指して聞いてみた。 「なのに持ってきたのか」 「許可降りたらすぐにでも弾けるようにね」 すごい行動力だ。 「マッキーは持ってきてないの? 」 「持ってきてない、それからマッキーって呼ぶのやめてくれないか」 そう呼ばれるのが小学校ぶりでむず痒い。 「じゃあ油性ぺ……」 慌てて身を乗り出し、新見の口を抑える。 「牧野か陸でどうだ」 新見の口から手を離し、落ち着く。 「マッキーでいいじゃん、ダメならもう一個の方で呼ぶけど」 昨日とは違い明らかに脅しに入っている。油性ペンよりはましと判断するしかないか。 「じゃあマッキーで」 「オッケー」 いたずらな笑みを浮かべている。このような顔を可愛らしいと言う輩がいると言うことが信じられないほど憎らしい。 「放課後までにはどうなったか伝えるよ、それから」 新見は鞄から携帯電話を取り出し操作しだした。 「はい、連絡できないと不便でしょ」 そう言ってQRコードを差し出してきた。俺は黙って携帯電話を取り出し、そのコードを読み取る。 「おっけい、追加できたみたいだね」 新見は携帯電話を自分の顔の方に戻し確認した。承認もその場でしたようで携帯電話に『竜樹さんとお友だちになりました』と通知が表示された。 「名前はマッキーに変えとこ」 携帯電話の中までは文句は言わない。言っても無駄だろうし。 「じゃ、結果が出たら報告するよ、直接かこれでかはわからないけど」 新見はそう言うと携帯電話を振りながら自分の席の方へと歩いて行った。
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