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「ジェラルド・スノードロップは、この世界で5人しかいない魔道士階級・八段の保持者だ。確か魔法史の教科書にも載っていたね。
俺も彼の顔を見たことはないけれど、まあ、相当な実力者と言うことに間違いはないだろうね。
どうしてそんな事を聞くんだい?」
「いや。……少し外に出てくる。」
「もう18時を過ぎてる。今から外に出て、夕食はどうするんだい?」
「街で…」
食べてくる、と言おうとしたヴァーグに、アレクは間髪入れずに答える。
「18時以降に街に出て食事をすることは禁じられているよ。さっき先生も言ってただろう。それに生徒手帳にも書いてある。」
チッ、と舌打ちをし、ヴァーグはぎりぎりと歯を軋ませた。
「ちなみに、食堂が閉まるのは20時。寮から歩いて15分程度かかる場所にあるけど、…一緒に行くかい?」
「絶対に嫌だ。一人で行け。」
「でも君、先生の話を聞いていないなら、行き方も知らないよね。
だから403号室を探す時も、散々迷ってたんだろう?」
「ッ、何でそれを―」
「やっぱり、そうだったんだ。
俺が来た時にまだ部屋に入っていなかったから、まさかとは思っていたけど。」
ニヤリと笑ったアレクに、鎌をかけられたと気付いたが、もう遅い。
「準備が出来たら教えてね。君を食堂まで案内するよ。」
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