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鬼と軍神
裏社会の『最悪の状態』を防ぐために、政府が秘密裏に創った特殊部隊がある。
『尊主隊』と名前のついたそれは、訳ありの人員ばかりが集められた、非人道的な汚れ役を担うところだ。隊員が死んでも政府には利益になるような危険な人間ばかりの部隊であり、またの名を『ごみ溜め』などと呼ばれていた。
もちろん隊長はそれを束ねるだけの実力とリーダーシップを求められる。並大抵の人物がこなせるはずもなく、隊は初期段階では発足に至らずに居た。
ーーーーー彼が現れるまでは。
「完璧な僕に任せればいいさ!」
最初は反対していた上層部も、今ではそれは彼しか務まらないと言い、周りの人間は畏怖を込めて呼ぶ青年がいる。彼は後ろに一人だけ部下を連れていて、それも元々裏社会で有名な人物だったとか違うとか。
今日とて男は鼻歌混じりに革靴を鳴らして歩く。裏社会を実質的に整える彼等を周りは、『鬼と軍神』などと呼んでいるとか、いないとか。
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