世紀末就職活動奮戦記

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<前半>   口語体で喧嘩売ってんのも、またご愛嬌で候。(笑)   3月31日 Sの面接で本町まで出向く。 10:00~12:00までの二時間。ひたすらよくわからない長々とした説明を聞く。 会社がどうやって成長して来たかなんて話はどうでもいいのだ。要するに、採用する人数と職種の説明さえしてくれれば。 集まっていた人数は30~40。男も多い。アンケート用紙に記入して、履歴書渡して、終わり。 説明会が長すぎて面接もなし。なのに、書類審査で二次面を決めるそうだ。むかつく。  同日1:00よりWの説明会が梅田のとあるビルであった。 事務所のほうで待たされること十分。その間に三浦洋一に似た渋めのおじさんが歯ブラシを持ってトイレへ向かうのを見た。 歯を磨く音がして、帰ってきた三浦氏は「まだこないの?もう少し待ってね」といって事務所へ帰っていった。 案内係のお姉さんに連れられて、別の場所へ移動。説明会に来ていたのは約七名。 「お待たせしました」と入ってきたのは先ほどの三浦氏だった。 自己紹介からはじまって、三浦氏の本名はわしの本名と同じだった。 一時間ほど説明を受けて、一人ずつ面談。「二次面接はこれますか」と一言目に言ってもらって、ちょっとうれしかったりする。 翌日の二次面の約束を取り付けて、退散。一日に二軒はさすがに疲れる。    4月1日 11:00からEの面接。初めての金融業者でちょっとびびる。 小汚くて薄暗いビル。自社ビルらしいが、上から下まで金融関係。思いっきり胡散臭い。 給料なんか15万もないのに、さらにボーナスはなし、朝は早いわ拘束時間は長いわで、聞くだけでげんなりする。 それでも部長らしきおっさんは「この不景気に取ってあげてるんだから」という姿勢で、さらにむかつき倍増。 他のがきまりゃあてめーんとこなんざこっちから願い下げだ!と腹の中で罵詈雑言。しかし顔はお愛想笑い。疲れるったらありゃしない。 同日2:00から梅田の地下で同じく金融業者のKの面接。 こっちはアルバイトだ。 ほんまにむかつくほど、聞けば聞くほど条件は最悪。 電話でアポイントとって契約取れたら報奨金がナンボ、とかボーナスなしの飯もなしの残業ありの土日出勤あり。 なめとんか、たかだか1000円の自給もだせんくせに。 同日3:00からWの二次面接。 簡単(?)な一般常識のテストと、作文が三題。「仕事」、「夢」、もうひとつなんかだった。 一時間半ほどで黙々とそれらを書いて、また説明があって、面接。 月の給料もよかったが、はんぶん営業が入っててちょっと面倒だなーなんて思ったりしたが。 それでも年間2~3回の海外研修とはいったいどこにそんな金があるのだろうか。 何度説明を聞いたにもかかわらず、何をメインで営業している会社なのかがよくわからなかった。 受かってたら電話が入るといっていたが、数日後に履歴書が返送されてきて、まじで切れそうになる。    4月2日 12:00からJの面接。 アクセサリーの販売と事務とかいてあったが、何のこたぁない、テレアポとってから連れ込んで押し売りするような押し付け営業だ。 挙句の果てに、ちゃんと時間厳守で行っているにもかかわらず、面接場所で待たされること二十分。しかもやってきた面接官は同い年くらいの若さで、ちょー態度でかくてむかつく奴だった。 雑誌には「初心者も歓迎」なんて書いておきながら、「応募数がすごくて、今はちょっと経験のない方はきついですねぇ」だと。 ふざけんのもたいがいにしろ!こっちは電車賃払って時間さいてきてんだ! 初心者取る気ないんなら、電話した時点で断りやがれ、このくそボケデブ! もうまともに会話すんのもだるーって感じで、はんぶん投げやりに聞き流して、とっとと帰る。 挙句の果てに履歴書の返送もないときた。 そんなんでよく営業やってられるよ、カス企業が!    4月8日 2:30から扇町でO面接。 珍しくお茶を出されて、ちょっとさわやかなお兄さんが面接官。心のオアシスだぜ、ふっ。って感じ?   「うちの広告ってそんなに目立ってました?」と聞かれて、そーいや下のほうにそんなに大きくないスペースだったが、まあ、事務系の募集は少ないからみんな飛びついたんであろう。 「今のとこ、応募の電話がすごくて締め切ってるんですよ。一人取るだけなんですけど、もう二十人ほど面接してますから」だと。 その親切なお兄さんは「資格の欄が空白だけどいいんですか?」と聞いてくれたが、原付免許と珠算三級なんざ資格にはいらんとわしは思う。 面接終了後、電車賃がもったいないのでぷらぷらと天六まで歩いて帰る。 が、パチンコ屋に足を踏み入れて結局何の節約にもなりゃしねえ。ふう。    4月12日 夕方6:30~Wの説明会。 大学生対象のパソコンスクールの運営、だそうだ。 まあ他にも英会話なんかあったりするらしいが、大学生相手に何十万もするようなカリキュラムを組んで見せるんだから、大概ぼったくりのような気がする。そういえば、3月のいつだったかに面接したJPCなんか、高校生相手に百万近いカリキュラム組んでたな。 その二割が営業の懐に入るなんて言ってたから、これがぼったくりでなくて何なのか。しかも面接受かったの未だにそこだけだよ。あんまり卑怯な営業なんでこっちから無視したけどもさ。 説明会が延々と一時間半ほど続く。聞いてるだけで眠気を誘う中、かばんの中で携帯が鳴って冷や汗が噴出す。 鳴り終わってからそーっと携帯の電源を切る。誰だ、こんなタイミングの悪いときに鳴らす奴はっ。 面接をします、といわれていってみれば、時間は三分ほどだった。いいかげんにしやがれ、いったいてめーら三分で何を見てくれるってんだ!    4月13日 11:30よりK面接。 シティライフやぴあの広告を受け持ってるらしいが、いかんせん有限会社なのが不安の要素だ。 案の定、話を聞いてみれば、ボーナスなしの残業手当なし。それで給料は16万。なめとんか、おっさん。 うんざりしながら面接を終えて、やっぱり天六商店街をぷらぷらしながら帰る。 今回はむかしなつかし「うさぎや」でおとぎ村が花咲じじいリーチでかかる。ちょっとうれしい。    4月15日 4:30地元のAで面接。 ここでもまた簡単(?)な一般常識と、適性検査。しかも一般常識なんか、世界史まで入ってて思わず頭を抱える羽目になる。 読み仮名テストが「賄賂」、「為替」、なんかが入ってて、思わず金融関係だなーと納得する。 しかし、その金融業者のどこにルイ16世がした政治が関係あるのかが少し知りたい。 テストが終わって、面接。ティッシュ配りはできるか、とか、頭の色が黒くないとだめだけど染められるか、とか。たいがいむかつくっちゅーんじゃ。 しかもその横で入ってきたおっさんが「カード作りたい」とおねーちゃんに言ってて、「他に金融機関でのカードはお持ちですか?」って聞いたら、「そことそことそこ」って向かいに並んでる「むじんくん」やら「ひとりでできた」やら「武富士」を指差すではないか。 いったいいくら借りてるんだか。 わしにはとてもちゃんと返済できるようには見えんおっさんやった。 こーゆーのが後で自己破産してトンズラするんだろう。      4月20日 1:00からP面接。 心斎橋まで出向いて行って時間と名前を言ったら「え?」と聞き返されて慌てる。 「そんな時間に面接ありました?」だと、なめとんのかきさまらー! 椅子に座って待たされること40分。たいがい堪忍袋の緒が切れるどころか、爆発しそうなのを最後の理性で押し止める。 面接は十五分ほどだったが、とりあえず今回の仕事がない場合も後から連絡してくれるようにメンバーズカードを作っておく。 ほんまにちっこい事務所で、普通はスキルアップのできるようにパソコン教室なんかあったりするが、そこは「提携のあるスクールを紹介する」だと、いくら割安になるっても、何で自腹でスクールかよわにゃいかんのだ。いいかげんにしろ、ボケ。 その後夕方まで梅田でぷらぷらと時間をつぶし、六時をめどに日本橋へ。 パソコンを買う予定でTについてきてもらうはずだったが一向に連絡がこず、一時間待ちぼうけを食らう羽目になる。はあ。    4月27日 1:30新大阪でSの面接。 地下鉄新大阪の一番出口から電話を入れて道を聞くが、メモが取れずに道に迷う。 時間前には着くはずの予定が十五分も遅刻。ああ。 面接官は若いにーちゃん。オフィスは広いんだけど、なんかがらーんとしていて、いったい何をしている会社なのかわからない。 とにかく仲良く明るくがモットーらしいが、仕事する上で事務で明るくする必要があるのかが疑問だ。 しかもウィンドウズ3・1だそうで、何でまた今ごろそんな古いパソコンなのか不思議だ。 時給はいいほうだが、社員でも社会保険がないって言うのはちょっといいかげんなんじゃないか? 結局何を扱ってて何の事務なのかがわからないまま終了。    4月28日 1:30より新大阪でCSCの面接。 新大阪と書いておきながら、南方から歩いても五分ほどの立地。 わざわざ一区間分電車賃払って乗った地下鉄代を返せ、とかなりむかつく。 住所を辿って着いたところはマンションの一室。しかもワンルーム。何なんだ、いったい。 小さな個人事務所がひしめいている謎のマンションの一室。チャイムを押して出てきたのはまだ若いおにーさん。 しかも、中は誰もいない。一人で切り盛りしてる様子。面接の前にアンケートを書かされるが、なんかおかしい。 よくよく聞いてみたら、派遣の仕事らしい。そーゆーことはきちんと書いておけっちゅーに。 「ワープロが打てるなら多分仕事回せると思います」なんて言っておきながら、未だに連絡ひとつこない。 ないならないって言ってくれりゃあ心穏やかなのにねぇ。ふう。   ゴールデンウィークに突入。五年ぶりに家にいる。うれしいのやら悲しいのやら。 どこに行っても人ごみなのがわかっているで出かける気にもなれず、ずっと家にいる。ノイローゼになりそうだ。はあ。  
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