エイリニャン

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エイリニャン

わたしは一等航海士ミレイ、この星にきて間もない。 地球人が冬といっている、この季節はとても寒い。 生物が生きて行くにはとても厳しい環境。しかも、いっけん平和にみえるこの惑星にも思わぬ落とし穴があった。 「アメリどうしたの!」  二等航海士アメリがベッドに横たわって固まっている。  ただ事ではない。  明らかに目を覚ましていたが動けないのだ。  いったい彼女になにがおこったのか。まさかエイリアンに寄生されたのではないか。 「アメリ!」  わたしは彼女にそっと近づく。 「・・・・・」  アメリは立てていた膝を左右に広げながら、ゆっくりと伸ばした。  しだいに股間のあたりに卵のような物体のシルエットが浮かびあがった。 「まさか、エイリアンの卵・・・・」  わたしは銃をかまえた。  アメリは止めてほしいと目で訴えかけてくる。  エイリアンを傷つければ強力な酸が飛び散ってアメリを危険に晒すことになる。 「アメリ、大丈夫よ。じっとしていなさい」  わたしは銃をかまえ左手でアメリのタオルケットを勢いよく剥いだ。 「シャー」  5匹の子猫エイリニャンだった。  エイリニャンはジャンプして、わたしの顔と足に飛びついた。  子猫たちはそのまま覆いかぶさって動こうとしない。 「スーハー……」  わたしはあまりの心地よさに意識を失いそうになる。    アメリは寒さに凍えていた。  そのときクイーンエイリニャンがやってきて股の間に潜り込むと、そのまま彼女は人工冬眠モードに入った。    この惑星の冬は厳しい。だが、エイリニャンがいるかぎり人類はこの厳しい冬を乗り越えていくのだろう。 「わたしは一等航海士ミレイ。今から人工冬眠モードに入る。以上・・・・」  エイリニャン、宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえにゃい。                                  おわり
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