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4『銀河鉄道の夜』(第二夜)
◆賢治の「銀河鉄道」は、いったいどこを走っているのでしょう?
私にとって『銀河鉄道の夜』は、星や花や鳥や水晶でできた、正解のない四次元の問題集です。ページをめくるたびに、魅力的な「謎」が湧き水のようにあふれ出し、私をずぶ濡れにしてしまいます。
なにしろ未完の物語です。作者は書きかけのまま、すきとおった列車に乗って、この天の川銀河から旅立ってしまったのですから、残された私たちにできるのは、「想像」と「空想」と、この物語を「愛すること」だけかもしれません。
さて、多くの人々が『銀河鉄道の夜』について語り、そして書き残していますね。それらをほんの少し読むだけでも、誰もが各自の銀河鉄道を持っていて、その色も形も大きさも異なっていることがわかります。
だから、この鉄道がどこを走っているのかも、語る人によって異なっているように思えます。
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