4『銀河鉄道の夜』(第二夜)

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◆不完全な幻想「第四次」空間とはなんだろう?  では、まず『銀河鉄道の夜』の「第4次稿」(ブルカニロ博士が登場しないバージョン)を開いてみましょうか。  すると、列車がアルビレオの観測所にさしかかるあたりで、車内改札が行われ、主人公ジョバンニの持っている切符が「特別」であることがわかります。  その時、ある乗客の言葉から、銀河鉄道が不完全な幻想「第四次」空間を走っている、ということも判明します。「不完全」も「幻想」も謎ですが、何よりも「第四次」空間って何でしょうね。  もし銀河鉄道が、その名前通り「銀河」を走っているのであれば、「宇宙」空間と書けばよいはずです。なんで「四次元」空間なんでしょうね。  正解は、この物語のどこを探しても書かれていません。でも知りたい。そこで私は考えました。これはどうやら、賢治の「四次」という言葉の使い方を、よく調べてみなければいけないなぁ、と。そういうわけで、私は喜んで調べるわけです。物好きですからね。  このようにして、私は「私の列車」に乗り込んで、一人でこっそりと旅に出ました。 (続く)
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