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それでもスマホがよく揺れるので、私はお友達よりも先に帰ることにします。スマホが元気なのは私が誰かから求められていることの証明なのです!(えっへん)
ーーだって、誰からも必要とされない人に誰も連絡なんてしないでしょう?
帰り道を急ぐ私ですが、春の風の強さが目の周りをスースーさせます。はやく。はやく帰らないと。
「!」
少しだけ前が見えなかったので、危うく小さな通学路で車さんとごっつんこするところでした。しかし、私は幸運な女なので、同級生がすんでのところでキュッと私の腕を掴んで私が道路に出るのを止めてくれたのでした。
「紫築、またスマホ持って走ってるんだ」
「私、幸せな女だからこのくらい平気なんです」
「ねぇ、それって本当に幸せ?」
この同級生、日町はとっても私と話が合わない人です。だって彼は私を見るとどこか怪我しているような顔をします。その顔を見ると私は何かを思い出してしまいそうになる。
「幸せに決まってるじゃないですか」
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