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ここはどこなんだろう宇宙の果てなんだろうか。夜の火山の溶岩の中のように、あちこちに薄い邪悪なオレンジ色の光を放ちながらその怪しい空間内に取り込まれ、取り残されてしまったようだ。ここがどこか全く見当がつかない。
<みんないる?>
どうやらみんな無事だ。全員いることが確認できた。
が、あの紫大根もその中に……いた。紫大根は急激に膨張し、人間大になった。
こんな時どうすればいいかなんて、誰にも習っていない。
ケイはどうしたらいいか、途方に暮れたが、
<じぇいみんはいたずらっ子だけど本当はいい子なのに。でもこうなってしまった以上、逃げ延びるしか道はない。でもどこへ…… >
辺りを見渡す。しかし、肥大化した大根は猛り狂って暴れ出した。
こちらに向かって暴走する。
緩左内は考える。今の僕にしかできないこと。
それはみんなを抱きかかえ走ること。
全員を掴み、低い体勢のまま駆け抜ける。
どこへなんて考えている場合ではない。
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