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三半規管が圧迫され、ぐにゃぐにゃと視界が歪み、目も開けられなくなった。
一斉に目を開く。
皆、あの明るいリビングに戻ることができた。キャラクターからも元の姿に戻った。良かった。助かった。事なきを得たのだ。
「本当にごめんね」
ケイは涙目だった。
「大丈夫、大丈夫。けいたんが悪い訳じゃないからねっ。いやぁ、にしても、本当に痛かったなぁ」
うん?
「いっ、今の誰?」
「あっ、おいら、わるいだいこんじゃないよ」
仲間になりたそうにこちらを見ている。
「ああっ。パクりやがって」
緩左内はお気に入りのゲームのフレーズを。
あろうことか……
「茹でっぞゴラア」
「大丈夫っ。そんなこと言っても根は真面目で優しいからね。ちゃんといっつもゆるしてくれるもんね」
「おいおい、営業妨害」
「まあまあ、こいつの清んだ目を見ろ。信じてやろう。俺は信じるぜ」
「なんか美味しそうだし良いんじゃない?いざというときは、ね……」
「良かった。じぇいみんも仲間になれたね」
「暴走したらいつでも相手にしてやるからな」
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