エラーコード111

15/16
前へ
/16ページ
次へ
 三半規管が圧迫され、ぐにゃぐにゃと視界が歪み、目も開けられなくなった。  一斉に目を開く。  皆、あの明るいリビングに戻ることができた。キャラクターからも元の姿に戻った。良かった。助かった。事なきを得たのだ。 「本当にごめんね」  ケイは涙目だった。 「大丈夫、大丈夫。けいたんが悪い訳じゃないからねっ。いやぁ、にしても、本当に痛かったなぁ」  うん? 「いっ、今の誰?」 「あっ、おいら、わるいだいこんじゃないよ」  仲間になりたそうにこちらを見ている。 「ああっ。パクりやがって」  緩左内はお気に入りのゲームのフレーズを。  あろうことか…… 「茹でっぞゴラア」 「大丈夫っ。そんなこと言っても根は真面目で優しいからね。ちゃんといっつもゆるしてくれるもんね」 「おいおい、営業妨害」 「まあまあ、こいつの清んだ目を見ろ。信じてやろう。俺は信じるぜ」 「なんか美味しそうだし良いんじゃない?いざというときは、ね……」 「良かった。じぇいみんも仲間になれたね」 「暴走したらいつでも相手にしてやるからな」
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加