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その後は、お互いにシャワーを浴びて、寝室のセミダブルのベッドで、永倉副社長に抱かれた。
私は過去に二人の男の人と付き合い、それなりに男性経験はあるけど。
なんだか、初めてのように緊張した。
だからか、
「文乃ちゃん、もしかしたら初めて」
途中、そう訊かれた。
「あ、いえ…初めてではないですけど…」
そう言い終わる前には、足を広げられてその場所を舐められていて、それ以上まともに話せなかった。
なんだか、何をされても気持ち良くて、意識が時々遠くなった。
「文乃…」
私に覆い被さり、自身のものを私の体の奥へと入れて来る。
私は求めるように、永倉副社長の背に腕を回していた。
頭の何処かで、避妊をしていない事に気付いたけど、
快楽の波に飲まれてそんな事は次第に忘れていた。
「文乃、もうイキそう」
最後は強く腰を動かし、私のお腹に白い液体を吐き出していて、
それを見て、ほんの少し冷静になった。
やっぱり、コンドーム付けてなかったんだ。
でも、それを口に出して言えなかった。
「ごめん。けっこう汚しちゃったね」
サイドチェストの上にあるティシュを数枚引き抜き、
それで私のお腹を綺麗に拭いてくれた。
「…ありがとうございます」
「いえいえ。どういたしまして」
私もなんで畏まってお礼を言っているのか、とぼんやりと思う。
永倉副社長は私に掛け布団をかけると、
腕枕をしてくれて、ギュッと私を抱き締めてくれた。
「こうしてたら、寝にくい?」
「いえ。大丈夫です」
「おやすみ。文乃ちゃん」
また、ちゃん付けに戻るんだ。
けど、呼び捨てと同じように、この人に名前をちゃん付けで呼ばれるのも、ドキドキとする。
「おやすみなさい」
そう口にすると、お酒のせいなのか、
先程の行為での疲労なのか。
一気に、眠りに引き込まれた。
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