Epilogue

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Epilogue

 あの夜を境に、ミューレン家にはさまざまな変化が訪れた。  私を守るためとは言え、お父様を殺めてしまったマーサは、その罪を償うべく警察へと出頭した。  お父様が亡くなったことと、敷地内から白骨化した遺体が見つかったことで、代々続いた伯爵家は一時、スキャンダルに見舞われ、没落の気配を見せた。  しかしながら、唯一の跡取りである弟のアレックスが爵位を世襲することで、残された財産が守られることとなった。  *  数日、連絡もできずに家を空けることになったエイブラムは、監禁の事実を病気で倒れていたと誤魔化し、両親にはミューレン家の屋敷で厄介になっていると手紙を書いて送った。  実際、監禁が解かれたあと、エイブラムの体調が戻るのにまた数日を要したので、その間にオークランド男爵と男爵夫人が屋敷を訪問された。私はそこで初めて彼の両親に挨拶をした。  病気などと嘘をつくのは忍びなかったけれど、エイブラムには話を合わせるようにお願いされた。  屋敷の当主であるお父様が亡くなったばかりの訪問となったので、男爵夫妻は私たち家族に同情を寄せて下さり、それがかえって申し訳なかった。 「いいご両親ね」
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