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半人前の俺は魔物と戦える様に、剣の扱い方を学ぶ、師匠は。
「実際に魔物と戦ってみようか」
「安全なら、やりたい」
師匠は。
「安全は保証しかねるね。魔物だって生きているんだ、全力で向かってくるよ。それが命の危機なら尚更ね」
でも訓練の大切さより、俺は魔物と取っ組み合いをする事を選んだ。
今日は特別に魔物ショーをしている闘技場の空き時間を借りて、本物の魔物と戦う、訓練用の木の剣ではなく、重たい実物の鉄の剣、素晴らしい切れ味。
ゴクリ、本当にこんな鉄の棒扱えるのか、いくら調整された魔物とは言え、重たい剣を振り回すのは、体さばき、刃。
残念ながらこの剣は、刀に近い片刃の剣、一方向には鋭いけど、他は有効にはなり難い。
鉄の剣には憧れていたけど、本物は訓練の木の剣とは全然違う。腕力も必要だし、トレーニングしてたけど、これを一日中振り回す腕力は身に付いてない。
そして、魔物が放たれた。ブルーウルフだ。出会い頭ウルフが口を開いたかと思ったら、凍結のフリーズボールが凄まじい速度で襲い来る。避ける暇もなく体に当たり、体から急速に熱を奪う。
痛い、冷たいって痛いんだ、続けざまに体当たりを食らって、無様にぶっ飛ばされる。
起き上がろうとすると、思いっきり腕に噛みつかれて、俺は一太刀浴びせる前にボロボロになった。
師匠が助けに入って、ホワイトヒールで回復した俺は師匠を眺める。
ブルーウルフのフリーズボールを華麗に避けて、ブルーウルフへと体当たりを当てるとぶっ飛ばされるブルーウルフ。
「良いかい、ブルーウルフ、いや、魔物はその気になったら待ってはくれない、正面はいつ丸太が突撃してくるか解らない、決して正面には今は立たない、なぜなら君のように一撃を受けるからだよ」
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