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今の手持ちの剣は訓練の剣と比べて、格段に軽く感じる。一通りクモから距離を置きながら動きを確認。
的は大きいのに、頭が小さい、足は多く切るのに好都合。
クモの噛み付きを避けて前足に一撃。さすがにクモもたまったものじゃない、口からサンダーボールを放つともがいてる。
ふと、マシンと浮かんだが、冷静に足を潰して行き、最後に頭に一撃を決める。
なんとも言えない手応えを感じた。生物をクズにする。俺は頭を振った。観客がわく。そして師匠が歩み寄ってきて。
「おめでとう、訓練の卒業だ、更なる高みが君を待ってるからね」
この町では、魔物討伐を見せ物にしているが、俺の雲型流はこれと言った決め技はない。
「師匠、奥義とか無いんですか?」
「良い質問だ、君が技と呼べば、その型は技になる。いくらでも作って良いんだよ。魔法と絡めれば限りなく存在するんだからね」
「は? 魔法?」
師匠は。
「残念ながら、私は魔法に詳しくはない。雲型流は流転の技法、一撃、一撃が技であり必殺技だ。ましてや、全く同じシチュエーションは存在しないのだからね。良いかい、今に集中するんだ。そこに決まった技や型はありそうかい?」
俺は。
「無いですね」
師匠は。
「そう、それこそが雲型流。良くやったね。この飾りは免許皆伝、いや、私からの贈り物だ」
俺は、師匠が差し出す、クモから取った足を差し出された。
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