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輝くんの場合
上ノ輝、16歳、高校1年生、少年。
今までずっと成績が良かった。まぁ、勉強頑張ってたし、でも最近、頭の良い子達が行く高校に入ってから勉強が難しくて、ついてけなくて、中学生の時は学年トップの成績だったのに今の高校では学年最下位。
なんでだよ。
しかも親には『何で学年最下位なの?ちゃんと勉強してるの?』
輝『勉強してるよ』と言うと
親『勉強の仕方が悪いんじゃないの。成績が悪いと良い大学に行けなくて就職先も何処もないわ』って言われて
先生も『ちゃんと勉強しろ。勉強出来ないのは人生終わりだぞ』とか言われる。
解ってるんだよ。そんなこと。成績が良い方が良いって、でも、どんだけ頑張っても全然、勉強が解らないんだよ。
それに成績が悪かったらレベルの低い大学に行って就職先もあるか解らないし、あっても良くないところだろうよ。
どうすれば良いんだよ。
どうしろというんだよ。
嫌になる。嫌になる。嫌になる。
レベルの低い大学に行って就職先もあるか解らないし人生終わってる。
もう僕には生きてる価値なんてないんだよ。
輝は高校に行く時に電車で通っている。
思い詰めてしまい、電車に身を投げた。
起きると。
母親『なにやってるの?何時だと思ってるの?早く起きなさい』
輝『僕、電車に身を投げて』
母親『なに言ってるの?寝ぼけた事を行ってるんじゃないよ。会社に遅刻するよ。』
輝『会社って何?』
母親『どうしたの?どこか体調でも悪いの?』
輝『悪くないけどさ』
母親『じゃあ行きなさい』
輝『行く道が解らないんだけど』
母親『解った。一緒についていくよ』
会社につく。
母親『行ってらっしゃい』
輝『行ってきます』
会社の中に入り解らなかったので近くの人に聞く。
輝『おはようございます。何処に行けば良いですかね』
男性『えっ?大丈夫か?ここで働いて5年は経つのに忘れちゃったのか?』
輝『すみません。忘れました。』
男性『大丈夫かよ。そこに座って』
輝『すみません。ありがとうございます。仕事は何をすれば良いですか?』
男性『本当に大丈夫か?今日の上ノおかしいぞ。早退して、病院にでも行ってこい。解ったら連絡しろよ』
輝『解りました』
病院に行って入院になりました。
輝は母親に電話をする。
輝『今、病院に居て』
母親『はっ?何で病院に居るの?どこか悪いの?』
輝『それがさ医師に記憶喪失って言われたんだよ。でも脳には異常がないから精神的な事からじゃないかって言われたんだよ』
母親『…』
輝『あのさ仕事先の電話番号って知ってる?』
母親『~だよ』
輝『ありがとう。じゃあね。』
母親『じゃあね』
輝は仕事先に連絡する
輝『もしもし、そちらで働いております。輝ですが』
男性『あー、病院に行ったか?』
輝『はい。行きました。』
男性『どうなった?』
輝『医師に記憶喪失と言われまして』
男性『そうか…ゆっくり休め、また仕事出来るような体調になったら一緒に働こうな』
輝『はい。宜しくお願い致します』
ある日
男性がお見舞いに訪れる。
男性『よう。大丈夫か?』
輝『大丈夫です。』
男性『大変だったな。俺の事も解らないよな』
輝『はい。』
男性『上ノの上司で笹原蒼信だ。これからも宜しくな』
輝『宜しくお願い致します』
笹原『上ノはね。最初、入った時から覚えが早くてミスがなくて凄いやつが入ってきたと思ってビックリしたよ。今でもみんなの役に立って上ノが居ないと仕事が回らないんだ。また元気になったら、また働こうな、期待してるぞ』
そして笹原さんは帰って行った。
夜になって寝て起きたら
高校生の自分になっていた。
あれは夢だったのか
正夢なのかは解らない。
でもなんだか将来に期待がもてる気がした。
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