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第三者の答え
ふわり、と蝶のように立ち上がった町田は、一度深々とこちらに対して頭を下げ、俺たち三人の顔を見た。
自分の想いを初めて第三者に吐露とろし、自分の中でも整理がついたのだろうか。この生徒会室に入ってきたときの表情より、随分と晴れた顔をしている。元々はこの表情こそが彼女のものなのだろう。改めてみてみると愛嬌がありそうであり、周りに可愛がられるように思う。
彼女は神田早紀のことを「強い女の子」だと言った。まだ俺は会ったことがないが、これから会うことになるであろう神田早紀は、逆に町田をどう思っているのか。
町田は庇護欲を掻き立てるとでもいうのだろうか、そんな印象を受ける。しかしそれこそが彼女自身の自分を責める理由なのだろう。自分は守られる側で守ることができなかったと。
「今までの自分を反省して、もう一度ちゃんと早紀ちゃんに謝ろうと思います」
町田のこの言葉を聞いた瞬間、俺は桜木の方を見た。桜木もまた俺の方に目をやり、俺たちは同じ結論に辿り着いたのかもしれないと思った。
町田は守られ続ける雛で居続けることよりも、巣立つ覚悟がある女の子であるかもしれない。一人でも立ち上がることを厭わないことを決めたのだと。
町田はそのまま生徒会室から出ようと、ドアに手をかけた。しかし桜木がそれを止めた。
「あなたにはまだやってもらうことがあるわ」
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