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2.真実はリアルで残酷で
途中コンビニなどにも寄りつつ
渋々ながら家に着く
『とりあえずここが家』
『いかにも1人暮らしの男の家ね』
『ほっとけ』
『お邪魔しまーす、なんだ意外に綺麗じゃん』
そー言いながら立華は自分の家の様に
ベッドに腰をかける。
『とりあえず何で死にたくなったのかから
話そう!』
『それはさっき聞いた』
『まぁ続きだよ、続き』
聞きたくなくてもどうせ話すのだろうと
諦めながら話を聞く
『私大学生で浪人してたから今年3年なのね。
母親も浪人した私の事を馬鹿にしててさ。
学校は始めの方は楽しかったし
彼氏も出来たんだけど、
私浮気相手だったみたい。彼女が居るなんて
知らなかったし、普通に付き合ってたのに
急に寝取っただの言われてさ、
イジメが始まったの。』
『イジメね・・・』
そんな事は良くあった話だ
学生時代は勉強ができるだけで
煙たがられてたし、
体も弱く昔からイジメの対象になりやすかった
僕からすれば相手しなければ良い
ただそれだけだった。
『でね、つらくて学校を辞めよって思ったんだ
でも辞めれなかった、浪人までしたくせに
辞めてこの先何があるの!?って』
親からしたらその気持ちも分からなくない
だが理由が理由だ辞めても逃げても問題無い
と思うが。
『そんなの、理由は話したのか?』
『うん、でもそんなの聞いてくれないよ。
親にとっても私はお荷物の様な存在だし
色々重なったのもあって、
別に死んでも良いんじゃ無いかなって。』
家庭環境が悪い、素直に思った。
『太一は?何で死にたかったの?』
『俺?ん〜上司からの嫌がらせかな?』
『イジメだ!』
『まぁそーとも言うかな?それにSNSとかでも
昔はそこそこ配信とかで有名だったんだけど
変な噂が立って誹謗中傷がね。
コラボしただけで叩かれて。
そんな事が続いててさ死にたいなって、
まぁ本当に死ぬ勇気なんて無いんだけど。』
死にたいなんて誰もが思う事だ、だが実際
実行に移す人間なんて少ないだろう。
『なら、一緒に死のうよ』
『だから・・・』
『死ぬ勇気がないんでしょ?
良いじゃん手伝ってあげるし死ぬまでに
こんな可愛い彼女が居るなんて、
太一に損はさせないからさ』
なんでこんなに意味の分からない事を
言ってるんだろう。
『復讐だからこれは・・・』
『なんだって?』
『私が死のうとするのを止めたんだもん。
意味が分からないし、止めた罰だよ。』
なんて怖い事を言うんだこの子は
『なにが復讐だ、巻き込むな俺を』
『嘘でーす!冗談だよ別に復讐なんて』
そんな事を言いながらゲラゲラ笑い出す立華
このヤロー馬鹿にしやがって…
『とりあえず寝てろ、
俺明日も仕事だし朝には帰れよ』
『帰るかどうかは置いといて。
私寝るとしても何処で・・・あっ!
一緒には寝ないからね?変な事考えないで』
『大丈夫俺は床で寝るから』
『もっとドギマギしてよ面白くない』
『電気消すぞ〜』
『ちょっと私の話しまだ途中なんですけど!』
ベッドから何か言ってるが、
気にしないで電気を消す。
本当は明日は休みなのだが家に入られても
困るし嘘ついて追い返そう。
そんな事を考えながら電気を消し
ガミガミ言ってる立華が寝るのを待って
僕も寝る事にした。はぁ・・・
変な子に巻き込まれてしまった。
『復讐なんだよ、ほんとに君にじゃないけど』
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