プロローグ

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あれから二カ月経った。 今も二カ月前と同じベッドの上にいる。 俺は天井を見つめて、この二カ月の間に起こった事を思い返していた。 この二カ月間の出来事は一生忘れる事はないだろう。 様々な事があり過ぎて、心身共に疲れ果ててしまった。 しかし初めて、他人を助けたと思う。 そして、あの感触と緊張は一生忘れる事は出来ないであろう。 右手を見ると突然、震え出す。 心臓の鼓動が伝わって来る。血液が沸騰する。 制御出来ない。 恋とはそういうものなのか。 壁掛け時計を見た。 好きなテレビ番組が始まるまで後、ニ時間もあった。 それまで暇だ。 何かしようにも特別にする事もない。 そう憂いた俺はまた、この二か月間の軌跡を自然と思い出していた。 気付いていた時にはテレビ番組がとっくに始まっていた。
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