第一章 日常

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しかし、少しホッとしたのもまた事実。 出られたら出られたで、電話の向こうのババアや親父から鬱陶しがられる。 子供が出ても敬語を使わなくてはならない。 通信会社はブラックが多いという事は学生時代に聞いていた。 しかし、ここしにか受からなかった。 他を探そうと思えば探せたが、やっとの事で決まった当時の俺にはそんな気力にはなかった。 あの当時、就職活動で行き詰っていた俺にようやくこの会社から救いの手が出た。 俺は嬉しかったと同時に安堵した。 これでやっと苦しみから解放されると。 しかし、いざ入社してみると想像以上にこの温床は厳しかった。
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