第一章 日常

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今日まで毎日必死だった。 必死に仕事を覚え、客に頭を下げ、上司からの怒鳴られる毎日だった。 いや、今日からもだ。元気だけが取り柄だった俺がストレスで鬱状態になり掛けてしまった。 その危機は何とか乗り越えたが、今ではすっかり学生時代の元気の良さは影を潜め、帰順してしまった。 社会人になる前、最近の新卒の離職率についての予備知識はあった。 何故、直ぐそんなに多くの者が辞めるんだと思っていた。 そういう奴らは只の根性無しだと思っていた。 しかし、今は考えが変わった。 そういった現実は本人だけの責任ではなく、会社の責任が殆どだと。あの時、見下した者達に申し訳ないと今では思っている。
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