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プロローグ
良く通った事のある道だった。
所々の明かりが道を灯し、あの頃の記憶が走馬灯のように蘇った。
この道を通るのは中学生以来な筈だ。
昔を思い出したかったから、俺は今ここにいるのか。
指定された通学路より、早く帰れたこの道が俺の中学時代の一番の相棒だった。
寝坊しても、走って行けば間に合ったし、遅刻したことは一度もなかった。
三年間、一度も学校から注意されなかったのは今となっては僥倖だった思う。
冷たい風が体に当たった。今ので家を出てから三回目だと思う。
あまり変わっていなかった。
少年時代、この道はもっと広かったように感じたが、今は狭く感じる。
只単に俺の体が大きくなったからか。
いつの時代も変わらず、存在できるのはモノの特権だ。
歳を重ねるのは生物だけ。
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