読む前の矛盾

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読む前の矛盾

 二ページ前で読書について綴ったが、自分の好みに合う物語は途中でつまらなくなるなんてことはなく、次のページを捲りたいと思える。  Nijiさんがコメントをくださったが、本には相性があるとはまさにその通りだと思った。娘が薦めてくれた本は確かに面白かった。ホラーやミステリーだったが、星が好きなジャンルでもある。しかし気付いた。その中にコメディ要素があるとより楽しめると。  これからは自分の相性に合った本を読もう! ところがここで、一つの問題に気付く。  どうやったら読む前に、自分の相性に合っていると分かるのだろうか?  面白いかどうかは読まないと分からない。買ってから『これは違った』となると、結局相性に合わない本を読んだことになる。いわゆるハズレとなってしまうではないか。一冊読むのにも時間がかかるのに……。  娘が前にこう言っていたことを思い出した。「私の本棚にある小説に、つまらないものなんてあるわけないじゃん」 (会話文は実際の口調を再現しています)  ということはだ、買う前に面白いことが分かっているということだ。さっそく訊いてみた。 「小説買うときって、どうやって選んでるの? 読まないのに面白いかどうかって分からんじゃん」 「あぁそれ、本読まない人のあるあるだよね。タイトルとか表紙絵とか帯の説明を見るとわかるよ」 「それはパパも見るよ。だってそれ以外見るとこないじゃん。仮に最初の数ページ立ち読みしてもさ、面白さ分かるわけないし」 「うーん。実際はそれ以外に、雰囲気で分かるんだよね。本を読む量が私くらいになると感覚で分かるっていうか」 「なるほど……キツいね」  これは厳しいな。全てが矛盾しているじゃないか! 面白い本を読む前に見つけるためには沢山読んで訓練が必要だと。そして本を買わなければその訓練が出来ない。  こうなると、結局読むしかないじゃん! 嗚呼、「もっと本読んだほうがいいよ」という娘の言葉が頭の中を反芻する。  十代の君と違って、パパには時間がないのだ。もっと効率よく身に付けたいのだ。量をこなすなら、めちゃんこ都合の良い方法でこなしたいーー。 「パパ! 天才じゃない限りやるしかないよ」  娘が高校受験で嘆いていたときに、星がよく諭していた言葉をそのまま返された。 今日はここまで🙋‍♂️ 2022.3.12
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