42人が本棚に入れています
本棚に追加
「団長とあいつって付き合ってるのかな」
「それは無いだろ。俺、あいつらと同じ学校の出身だけど、文官はともかく団長はあいつのこと嫌ってたぜ」
「あいつ、迷惑だから二度と騎士団に近づかないで欲しいよ」
俺は花を持ったまま彼らに近づいた。
「俺からすれば、お前たちみたいな無能集団こそフレイに近づかないでほしいね」
噂の相手が現れたことに、騎士団員のひとりは顔をしかめて集団から出てきた。
「どういう意味だよ」
「こんな公衆の面前で団長の噂話をするとか、足引っ張ってる自覚ないの? バカな部下を持って、フレイも大変そうだな」
「てめぇ!」
騎士は腰の剣に手をかけた。
しかしそれを一人の優男が止めさせた。
「文官相手に剣を抜くなんてみっともないだろう。こんなところで話し込んでいた俺達も悪い」
「副団長!」
副団長と呼ばれた優男は俺に微笑んで言った。
「嫌な話を聞かせてしまって悪かった。こいつも大好きな団長を君に取られて嫉妬していたんだ」
「団長を取られただって? 最初からフレイは俺の奴隷なんだ。調子に乗ったこと言ってるなよ」
俺は剣に手をかけている騎士を睨みあげた。
最初のコメントを投稿しよう!