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本編
俺の名前はシーシャ。
王の後宮で新米文官として働いている。
今日の仕事は後宮に必要なものの買い出しだ。
俺は長々と品目が書かれた紙を手に、広い王宮を歩いていた。
すると、前からやたらキラキラした美形集団がやってきた。
王宮を守護する第一騎士団の連中だ。
俺は立ち止まり、その中心に立つ人物の名を呼んだ。
「フレイ」
俺の声で廊下の真ん中を歩いていた集団は足を止めた。
キラキラ集団は怪訝な顔で俺を見た。
「どうしたシーシャ。なにか困っているのか」
ひときわ目立つ美形の男・フレイは集団から外れて駆け寄ってきた。
「実は後宮の買い物を頼まれたんだ。代わりに行ってきてくれないか?」
俺は彼に紙を渡した。
フレイはその紙を確認すると頷いた。
「わかった。用意できたら後宮の前まで持っていく。先に戻っていろ」
そういった後にフレイは後ろの集団に声をかけた。
「すまないみんな。私は急用ができたから、あとはケンの指示に従ってくれ」
「ええ~、団長またですか」
集団は文句を言いながら俺を睨んできた。
「団長の指示に反対するわけ?」
俺は勝ち誇った笑みでそう返してやる。
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