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「スーツ受け取ってきましたよ。今そこで千紗も。」
「あー、2人そろそろ来ると思って自由にさせておいた。」
「累、自分のものの躾はしっかりしておけ。大声で叫ばれては周りに迷惑だ。」
「あーあー、千紗は俺だけじゃなくて経も怒らせちゃったか。」
「経も累も怒るのは明日にね、今日は千紗のお祝いだけするって決めたでしょ。」
「わかってるよ。」
「あぁ。」
みんなは僕がボロボロ泣いていることなんかどうでもいいんだ。ただ、思い通りになれば、他人が泣いていようが嫌がっていようが関係ないんだ。
「千紗は泣いたら止まらないのにね。累は千紗を泣き止まして、買い物は僕がするから。」
「わかったよ。」
「経のもいくつか選んでるから試してみて。」
「あぁ。」
「あと、あやの恋人くんに似合いそうなのあったから見てみて。」
「ありがとうございます。」
ななちゃんの買い物好きが始まってみんなペースを乱されてる。他人だったら笑えたかもしれないけれど、悲しくて涙が止まらなかった。ソファーの上で僕を抱きながら座っている累も変なはずなのに。
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