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ななちゃんと累の着せ替え人形になって、どれくらい時間が経ったか。ななちゃんが満足したところで切り上げた。
「久しぶりだから、可愛い千紗がいると止まらなくなっちゃった。千紗のクローゼットがいっぱいになるの楽しみだね。」
「…ななちゃん、ありがとう。」
「どういたしまして。」
「では、行きましょうか。」と綾くんの言葉とぴったりに車は止まり、ホテルの前に着いた。
百貨店と同じように、また人が出迎えて頭を下げている。
累のエスコートに従って、ホテルマンの後ろを歩いた。
「では、ごゆっくりお過ごしください。」
説明を聞かなくてもわかる。この部屋はこのホテルで1番高いのだろう。
部屋の中には人が何人もいて、綾くんからスーツを受け取った。
「カメラマンが30分後に来るので、そのつもりでお願いします。」
「かしこまりました。」
訳もわからず、スーツに着替えた。今は椅子に座って髪の毛をセットされている。
隣を見れば累も同じ格好だ。
「終わりました。千紗様はこのようなスタイルでよろしいでしょうか?」
僕に向けた問いではなく、累にだ。
「問題ない。」
「ありがとうございます。」
どうやら僕のセットは終わったらしい。写真を撮るみたいだけれど、大掛かりで嫌になる。
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