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ホテルの最上階にあるレストランに来た。とても広いのにいるのは僕たちだけ。
それぞれ席についた。僕は当たり前のように累のとなり。
「千紗がちゃんとマナーを覚えててくれてるといいんだけど。」
「たぶん、忘れてない…と思う。」
「えらいね。それにしても千紗のスーツ姿可愛い。」
「…ありがとう。」
ニコニコの笑顔でななちゃんが僕を見る。
久しぶりのななちゃんのストレートな表現に戸惑ってしまう。
「七星、俺の千紗を困らせるな。」
「困らせてるつもりないんだけど。」
「困っていても、困っていなくても、どちらでもかまいません。そろそろ乾杯しましょう。」
「そうだね。累、乾杯して。」
「千紗の卒業を祝って、乾杯。」
「「乾杯!」」
震える手でグラスを持ちながら一口含んだ。ワインかと思ったがぶどうジュースで安心した。
「早くみんなでワイン飲みたいね。累とあやは今年でしょ?千紗はまだ先だね。」
「ななは飲みすぎるなよ。」
珍しくななちゃんが注意されている。累がこっそり教えてくれた。ななちゃんは酔っ払うと人目を気にせず甘え出すらしい。いつも王子様のななちゃんからは想像できない姿だ。
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