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足に重みを感じながら、起き上がる。
身体の節々が痛くて重くて辛い。
「お昼には帰るからいい子にな。」
そう呟いて累は軽く口もとに触れた。
寝起きの頭は回らなくて何も考えられない。
優しく触れた唇の温度が上がったように思えた。
少しして、ここがホテルだということを思い出した。
累の「帰る」という言葉が頭の中で響き続ける。帰る前に逃げることができたら…。
そんなことを考えるけれど、身体が重くてすぐにベッドに引き戻された。
ふかふかのベッドが気持ち良くて、起きたはずなのに、すぐに瞼が落ちてきて我慢できなかった。
「千紗、千紗、起きろ。」
累の声で目が覚めた。
身体の疲労は睡眠で取れたのだろう。
でも、累が戻ってきてしまったことに絶望してしまう。
「家帰るからシャワー浴びてこい。」
バスルームに移動するまでに足の違和感に目を向ける。
足枷が眩しく光っていた。
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