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いつの間にかこはくが廊下に来ていて、広毅の足元にすり寄る。ふにゃりと緩んだ目元は糸のようで。なぜか顔が熱くなった気がして、俺は思わず視線をそらした。
バチバチと雨が窓を打つ音が底冷えする部屋に響く中、胸に暖かいものがじわりと広がる。
――って。いやいやいやいや。
一重の吊り上がった三白眼といい、荒い言葉遣いといい、いつもうるさくていかにも体育会系の性格といい。およそ猫好きとは言い難い印象の広毅。
しかも、今さっき回し蹴りを食らったばかりではないか。
俺は頭を振って鎌首をもたげた期待を打ち消した。
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