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ふいに胸が温かくなって、俺は視線をさまよわせた。
「顔赤いやん。大丈夫か?」
「うるさいっ」
一瞬の沈黙に雨音がいつもより大きく聞こえる気がする。ゴロゴロと雷が鳴り始め、ピカッと、一瞬窓の外が光った。広毅の膝から降りたこはくは俺の方ではなく今度は背中の後ろに隠れた。
「ははっ、可愛い」
――また、あの目だ……
勝手にベッドの上にうつ伏せに寝転びこはくを見下ろす広毅の顔に視線を移しながら俺は思った。
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