琥珀

1/13
前へ
/13ページ
次へ
 十二月の寒風が容赦なく襲いかかる午後。  目の前に俺のマンションが見えてきたその時、激しく地面が擦れる音がして、白いベンツは速度を落とした。  そして――そのまま走り去った。はね飛ばされ、地面に叩きつけられた白い物体を残して。 「まさか……あれって、こはく……?」  つい昨日、布団に潜り込んできた白猫の姿と体温が蘇り、俺はその場にうずくまった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加