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◇◇◇◇
「萌々香さん、よかったら送っていきますよ。それともご家族に迎えに来てもらいますか?」
織田の案内で正面ホールまで来た萌々香は壁時計を見上げた。
午後4時。
父はまだ仕事中だ。
そして萌々香が警察の勾留所で待っているなんと聞いたらそれこそ飛び上がってしまうだろう。
だからといって織田に送ってもらうとなると、たとえパトカーじゃかったとしても、八雲に送ってもらったときの例がある。
また男性に送ってもらったと知ればどんな目にあうかーーー。
「いえ……自分でなんとかして―――」
萌々香が断ろうとしたそのとき、
「私が送って行こうか?」
後ろから聞き覚えのない声が響いた。
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