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◆◆◆◆ 「それにしてもーーー」 自分以外誰もいなくなった刑事部で、織田は振り返った。 「なかなか興味深い事件だったなー」 ホワイトボードに貼られた相関図を見る。 「交換殺人、ね」 システムを管理・運営する者。 依頼する者。 実行する者。 罪を分けた殺人の連鎖。 どれも悪質性は低く、凶悪犯罪にはならない。 知り合いではなく何者かもわからない他人の死。 罪の意識も薄い。 しかし―――。 「……殺人は殺人だ」 織田は表情を凍らせた。 「命の重み。そして罪の重み。わからせてやるよ。ーーてめえの命をもってね」 織田はホワイトボードの端っこに貼られた八雲の写真を指で弾いた。
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