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長い校長先生のお話も今日で最後だと思うと真剣に聞いた。古臭い歌詞の校歌も意味を噛み締めて歌った。
卒業証書は各クラスの委員長が代表で校長先生から受け取った。他の生徒は教室へ戻ってからひとりひとり担任から受け取る。
宮原先生も今日はスーツだ。いつもより大人に見えた。生徒だけじゃなく保護者もいるので緊張しているみたい。
出席番号の1番から先生は名前を呼んだ。前に出てきた生徒に卒業証書を手渡し、ひと言言葉を送っていた。私は何て言ってもらえるのだろうとワクワクしながら待っていた。
「春日」
「はい!」
最後に私の名前が呼ばれた。私は勢いよく立ち上がり前に向かって歩き始めた。
「え?」
お母さんとお父さんも先生に向かって進んで来た。
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