第4話 出陣

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第4話 出陣

あの戦いから、夜が開けた。 そうだ、宿屋に戻らなきゃ。 急いで、宿屋へ戻った。 宿屋の中は、さっきの戦いと比べて、嘘みたいに静かだった。もしかして、勇者はもう旅出たのか? 部屋を確認すると、勇者達はまだ寝ていた。よかった、まだ居たんだ。 ロビーへ戻って、ひと息ついた。 あぁ、思ったより宿屋の店主って疲れるな。 今までのゲームの宿屋の店主ってすげぇな。 顔色1つ変えていなかったし。 しばらくしたら、勇者達が来た。 「お世話になったな。これ、代金だ。」 ジャラッと硬貨を机へおいた。 「ありがとうございます。  では、お気をつけて。」 「あぁ。」 そして、勇者達は、外へ出ていった。 「さあって、僕の仕事も終わりだな。」 寝ようとしたその時、 「いけません。」 「……もう驚かねぇぞ。  で?何がダメなんだよ。」 「ほう、神様へ向かって挑戦的ですね。  まあ、いいでしょう。用件を話します。  今すぐ勇者達を追ってください。」 「なぜです?」 「あなた、宿屋の店主でしょう?  誰が回復してあげるのですか?」 「他にも宿屋があるでしょう?」 「いえ、あなた1人です。」 ・・・へ? 「僕1人?」 「はい。」 「じゃあ、宿どうすればいいの?。」 「運んでください。」 「いや、どうすればいいの!?」 「持つのです。」 ・・・へ? 「持つ?」 「はい。そのためのパワーです。」 「具体的には?」 「おっと、どうやらここまでのようだ。  あとは頑張ってねぇ~。」 「このエテ神様が……」 愚痴を言って、外へ出た。 さて、どうするかなぁ。 「とりあえず、持ってみるか。」 壁を触って出っ張っている所に手をいれた。 「よいしょ~。」 グググッ 感触がいい。もしかして、 「うらぁぁぁ!!」 ボコゥッン!! 宿が持ち上がった!! 「うわぁ!すげぇえ!」 さて、この状態でどうすればいいんだ? たしか勇者達は、こっちに行ったな。 最短で回るか。 森の中を走ってショートカットした。 ズドドドドッ!! 宿屋を持っているため、木々をなぎ倒して、 走った。 途中、魔物が出てきたけど、宿屋を振り回し、敵を瞬殺した。 もしかして、宿屋か最強の武器なんじゃね? 森を抜けて、道へ出た。 「よっこいしょと。」 ズドォォォン!! 宿屋を置いた。 「とりあえず、中を確認するか。」 中に入ってみると、思った以上に綺麗だった。 さぁて、ロビーで休むか。 腰を掛けたその時、 コンコンッ。 ノック音が聞こえた。 勇者達が来たかな?
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